天龍峡夏期大学【令和3年度は新型コロナウイルス感染症予防対策をし7月に開催しました。】
天龍峡夏期大学の歴史と概要
長野県内には、古い歴史を誇る信濃木崎夏期大学をはじめとした多くの夏期大学講座が開設されています。天龍峡夏期大学もその中の一つであり、今年で67年目を迎えることになりました。
この天龍峡夏期大学は、昭和28年に発足しましたが、直接的には、川路出身の成蹊大学教授・関島久雄氏と、当時川路村公民館長だった今村良夫氏の働きかけによるところが大きかったそうです。
「東京はまだ焼け野原のような状態にあり、物資も文化も欠乏の時代であった。地方文化の振興こそが新しい日本の行くべき道であり、都市と農村とがバランスをとって発展することが、復興日本の目的でなければならないと、そう考えて天龍峡夏期大学がはじまったのである。」
(夏期大学が第20回を迎えた際に、関島久雄氏が記念に寄せられた一文より)
「続講を期待される =天龍峡夏季大学=
社会教育の重要性が大きく叫ばれ農村青年の向学心も漸次醸成されつゝあるが、近年都市大学の夏季休暇を利用して、村郡への大学講座開設の気運がたかまつてきたのを機会に教育委員会では、去る八月本村出身の関島久雄教授の所属する成蹊大学の勧奨により、同大学教授を中心とする天龍峡夏季大学講座を開設した。」
(昭和28年11月15日発行 館報かわじむら第19号より抜粋)
その後、昭和36年の川路村と飯田市の合併や昭和44年に成蹊大学がこの夏期大学の運営から手を引かれたことなど、天龍峡夏期大学を取り巻く環境は大きな変化を迎えたこともありました。いわゆる「三六災」が発生し、伊那谷一体は甚大な被害を受け、川路地区も混乱の渦中にあった昭和36年にも、夏期大学は変わらず開催されました。
「夏期大学より泥揚げをせよ」との一部の声も聞かれる中で、「地区住民の気持ちが、このように乱れている時だからこそ、こういった講座が必要ではないか」と述べており、「関係者がこういう信念の下で、開講にこぎつけた」
(平成4年8月発行 天竜峡夏期大学四十年誌より抜粋)
このように、当夏期大学は様々な紆余曲折を経ながらも、1年たりとも欠かすことなく開催され現在に至ります。
今回の第67回天龍峡夏期大学を開講するにあたり、その目的を「教養を高めるとともに、現代的な課題を考える契機とする」としました。これは発足にご尽力された、当時の公民館長である今村良夫氏が第2回天龍峡夏期大学を終えて語られた談話に由来します。
「一般教養の基礎としての純粋な学究的の行き方と、直ちに現前の社会の批判とか政治の批評を重点にして生活に速効をねらうのと、夏季大学の運営はこの一つのどちらかになるのだが、天龍峡の場合はその双方の特長をとつて中間的な行き方をもつと続けるのがよいと思う。」
(昭和29年10月1日発行 館報かわじむら第23号より抜粋)
毎年4人の講師をお迎えして、天龍峡夏期大学を開講します。これまで夏期大学を継続されてきた諸先輩方のご尽力に思いを馳せつつ、天龍峡夏期大学をじっくりとお楽しみください。
第67回(令和元年度)天竜峡夏期大学の様子 ※令和2年度は、コロナウイルス感染状況を考慮し、中止とさせていただきます。
公民館情報
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